雪山をなめるなよ

奈良県・大和葛城山に登ってきた。

15:30スタート。17:00発、最終下山ロープウェイを目標。
装備は、ボードウェアと、前田が持つ一番スポーティなシューズ、ナイキ・ダンク。1時間半で登りきることを目標に、意気揚々と出発。初めは、とても楽しく、すこぶる楽しく登れた。途中、「櫛羅の滝」というものを観ながら、観光気分で最高を感じていた。
ガンガン登る。若さに身を任せ、恐れなんて無かった。それは無知だったからだ。若さゆえの過ちだったんだ。愚かだったんだ。知らなかったんだ、この後の恐怖の雪山の正体を。前田は舐めきっていた。

ドンドン登っていたら、徐々に雪がちらほらと姿を現し始めた。僕はまたまた楽しくなってきて、ペースアップを計った。というのも、我が近畿圏には雪があまり降らないのだ。この冬、初!

「LOVEずっきゅん」を歌いながら歩いていくと、道がドンドン細くなり、雪の量もガンガン増えてきた。僕の履くダンクは古着産だし、ヘビロテだしで、裏つるつる。人一人が通れる程の道幅。右は崖。左は壁。下はつるつる。時間が迫る。
文字では表しようの無い恐怖が前田を襲った。もう最悪だった頭の中は「なんで俺はこんな場所にいるんだ」の一言だけ。ミスが命取り。足に力入れると、すべる。アイスバーンの魔法。死の魔法・ザキを浴びせられているかのよう。信頼性のない足元と、慣れない雪で、成すすべ無し。
こんな時は良いイメージだ、なんて言うけれど、無理。残念なイメージしかない。だって、人生は残念の方が山盛りだもの。この状況は明らかに残念ホームラン。笑いたい奴は笑えよ、山ノ神よ、笑えばいい。愚かな人間を笑えよ。俺は人間を捨てる。獣に戻る。四肢を駆使し、山を登る。
もう、四つん這い。前田の乏しい発想力と閃きと経験はこの程度。必死、だって、生きたいのですもの。道が広くなったりなだらかになった時は迷わず、ダッシュ。

焦りと不安の中、見事頂上へ。最終三分前。観光などせずに即下山。勿論、山ノ神にも感謝の言葉。「生かせてくれてありがとう」初めて神に感謝をのべた。命の素晴らしさを讃えた。
今、眼を閉じて思い出してもゾクゾクする。次は靴は手に入れて登る。靴はケチったらあかん。命の生命線。
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by gigi666 | 2009-01-19 01:59